年代別転職回数と勤続年数
転職は珍しくない
全国規模で看護師の転職支援を行っている大手人材紹介会社の調査によると、ナースの年代別転職回数は「20代が1.9回」「30代が3回」「40代が3.8回」とのことです。また、日本看護協会が発表した2017年の病院看護実態調査によると、ナースの離職率は「正規雇用が10.9%」「新卒が7.6%」です。以下にそのデータを紹介します。
こちらは2017年の病院看護実態調査資料です。より細かいデータを見ることができますので参考までにご覧ください。
傾向としては、夜勤の負担が重い職場のほうが離職率が高いようです。キャリアアップなどを目的とした前向きな理由の転職もありますが、業務負担に耐えられず転職するといったケースも少なくないことがわかります。
このように転職が珍しくない仕事のため、自身のキャリアを考える際は転職ありきで考えたほうがいいでしょう。特に女性が多いので、今働いている病院が自分にマッチしていても結婚や出産などを理由に退職しなければならない可能性があります。転職自体はまったく悪いことではなく、むしろ当然のこととして捉えておきましょう。ただし、上記で紹介した転職回数よりも今までの転職回数が多いナースは、転職活動において少し影響があるかもしれません。
重要なのは勤続年数
転職活動の際にチェックされる項目として、転職回数も当然みられますがそれ以上に重要となるのが勤続期間です。例えば、30代で5回転職した経験があっても、それぞれの職場で2年以上勤続していればそこまで悪いイメージはつきません。逆に、数か月しか働かないで退職した経歴が複数ある、といった場合だと、同じようにすぐ辞めてしまうのではないかと悪い印象を持たれてしまいます。自分が採用側だったらどう思うか、という視点で考えればすぐに理解できることかと思います。採用担当者には経営陣からのプレッシャーがあるため、すぐ辞める人や問題を起こす人を採用した場合、採用担当者が責任を問われてしまいます。そのため、勤続期間というのは思った以上に重要な項目となるのです。
特に直近の仕事の勤続期間が重要になるので、過去に輝かしいキャリアがあったとしても、直近ですぐに辞めた経歴があるのであれば不信感を与えてしまう可能性が高いです。そのため、長期的なキャリアを考えるのであれば、もし転職に失敗したと思ってもすぐに退職はせず、ある程度の期間勤めたほうが次のステップに進むときには有利です。とはいえ無理して働き続けて心身のバランスを崩してしまっては元も子もないので、可能な範囲で勤続期間を意識してキャリアを形成していくようにしましょう。
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